2013年12月

ネタの山どれがゴミやら宝やら
さっぱり切り口が見えません、とりあえず嘘八百の回路設計条件を・・。
 
・出力トランスで発生する歪は0.01%台、もしドライブインピーダンスがトランスの鉄損に相当する等価抵抗の1/1万なら。対して出力管で発生する歪はクリップ直前で数%。であるので負帰還は出力管とトランスの接点部から(回路歪<トランス歪)となるまで戻す。
 
・真空管の非直線性は個体差が大きい、直線性補正は現物合わせが必要で経年変化もあるのでやらない。
 
・インパルスに含まれる極低周波成分は電源電圧やバイアスを変化させる、そのため非線形特性を持つ部品がオーディオ信号を崩す、真空管、電界コンデンサ、セラミックコンデンサなどはその代表。であるので電源とバイアスが入力信号の影響を受けない様にする。
 
・DFは4、必要十分
 
・周波数特性は出力トランスで決定され20khz/-3db、若干の補正は必要。
 
・身の丈に合わせ、シンプルでわかり易い回路構成
 
 
暇なので幾つか真空管の入出力特性比較を行いました
・211は素晴らしい、低プレート電流域でも直線性を維持しています。
・2B94三結は829B三結よりは良さそうですがイマイチです、211同等歪を得るためには数倍の負帰還が必要そうです。
黒点線は基準の直線、2B94は実測、他は机上。
(比較しやすいように縦横比率は個々変えてあります)
横軸はプレート出力電圧です。
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一日やっても止められないブロッキング発信やんなちゃいます。
しょうがないので、ここの記事を見させていただくと、詳細実験結果付でチャンと対策が書いてあります、この方凄いです、エンジニアとしはもちろんですが人間として。
 
出力トランスと電源はまだ色々問題残ありですが、待ちきれず真空管の特性測定します。
これは三結時のグリッド入力/プレート出力電圧特性です、参考までに上述サイト掲載の829B三極管接続特性から作った入出力特性も併記しておきます。
829Bとほぼ同等の特性なので測定方法や精度はそれなりにありそうです、出力が540V位で飽和しているのは出力トランス実装/電源340Vで特性測定している為で、正式に測定すると黒点線のような感じになるはずです。
クリップ寸前の出力は6.6W/500Hz/4Ω/2ユニットほどで、ほぼ予測通りでした、2本の間に若干の差はありますが。又その時の歪は4%位でしょうか、何となくそんな感じがします。
心配していたトランスの唸りが少しあります、バイアスが深いと音も大きくなります、コアの磁気歪特性が磁束密度で変わるせいでしょうか?あとで理由を調べます。
スイッチング電源から同相で出てくるノイズが大きくて鬱陶しいです、実害はないと思いますが後で対策を考えます、逆相ノイズは目立ちません。
トランスのリーケージインダクタンスが大きく100khz近辺に100kΩ位のピークがあるので動作不安定にならないか心配でしたが問題ないようです、ここいらは3極管の強みです。
測定には100Vp-pほどの信号が必要で、オーディオ発信器の出力にUPSジャンクの昇圧トランスを接続します、測定周波数はとりあえず500Hzです。
実機でのバイアスは-29~-30V@電源電圧340V、ドライブは80Vp-p必要そうです。
入出力特性の非直線性補正できないか考えていますがいい案ありません、多くの方が色々挑戦され成功されているのですが微妙な調整が必要で回路も複雑そうなのでイマイチ乗り切れません、もう少し考えてみます。
 
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試験風景です、真空管の下にあるのがスイッチング電源です。手前の基板にはバイアス調整ボリュームと4Ω負荷しか付いていません、これからドライブ回路を勉強し追加します、発振器の前にあるのが昇圧トランスです。
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別アングルから
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負荷試験中です、大きな放熱板が火傷しそうな温度です、本番の真空管アンプと同じ100W位の消費電力なのにこれほど高温になるとは思いませんでした、アンプは強制空冷にしないと苦しそうです、UPSジャンクで使われていた小さなブラシレスファンようやくの出番!2回目の試作トランスを電源に組み込みチェック中です、130%/130W負荷でも動作したので何とか使えるかもしれません。真空管アンプ用スイッチング電源が大きなトラブルなしでここまで来れて良かった!
ヒーター用は24.4V/1A、メインは338V/0.2A、グリッドバイアスは-104V/2mA、ほぼ予定の数値。負荷ON/OFF時の電圧変動は24V系は十分小さい、340V系は10Vほど変化。
80khzのスイッチングノイズ出力は負荷時24V系300mV、340V系200mV、電源ハムノイズは24V系15mV、340V系200mVでいずれも少し改善が必要そう、電源ハムを誤差アンプの帯域やゲイン調整で処置できればよいのですが・・失敗して壊すのもやなので外部に簡単なフィルターを入れるか・・。、スイッチングノイズは周波数が高いので容易に処置できるかも。
フェライトコアの発熱が40degくらい。動作上限は100°位だったと思うのでたぶんOK、念のため上述の強制空冷を有効に使う。高圧低電流電源なのでドライブICやダイオードその他部品の温度上昇はわずか、本体の発熱量から見て変換効率は90%半ばくらい?で高効率。
ドライバー回路出力に150V近いスパイクがいます、最近のドライバーは吸収ダイオードを組み込んあるようですが、このユニットは15年物(ワインならいいんですが)なのでそのような考慮がしてないのかもしれません。改造前から出ているスパイクです、変な部品を追加して寝た子を起こすのも何なので(寝た子はいつか起きるというのはありますが)このままで行きます→測定ミスでしたスパイクはありません。
ドライバーdutyが45/55位です、元々の電源は未チェックなのでこれで良いのかどうかわかりません、少し不安です→回路発熱や出力リップル増大の原因になりそうですがドライバーICが古いので仕様入手できず、改善は困難そう。
一次側電界コンデンサが発熱部品にくっついているので少し暖かくなります、小さなケースなので仕方ないですが、コンデンサの寿命は温度の3乗(だったような)に反比例して短くなるので注意が必要です、105°と表示してあっても105°で問題なく使えるわけではありません。大きなリップル電流が流れるケミコンは内部ロスの小さいSW電源用の物を定格電流以下で使い発熱を抑えます。
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基板表面です、改造でだいぶ部品が増えました。
中央上に4個あるのがシリコンカーバイドダイオード耐圧600V/2A/SW時間も短いです。 
340Vも出力があるので不要送出電力が気になります、AMラジオでチェックしてみます。
LLC直列共振型スイッチング電源は高電圧、多出力向きかもしれません。この電源の場合一巻/6Vの出力が得有られ、340V分巻くのも簡単です。トランスが普通の電源トランスに近い動作をしているので±電源や倍電圧整流も可能でです。
最新のLLCタイプのスイッチング電源設計は非常に高度になっていて私には理解できない世界ですし改造も困難かと思われます、しかし最もシンプルな完成品電源ユニットであれば、トランス2次側をソット改造する事で使える物ができそうな気がします、設計で難しいのは主に一次側の共振回路周りのスイッチング技術のようですから、もちろんド素人のやる事ですから突然「煙が出てきて発火」の様な危険は付きまといますが。EI型トランスコアが強力に接着されており分解できないのが問題です、分解できないと巻線がかなり困難です。今回使用したコアは何故か接着されていなかったので何とかなったわけです。以下写真トランスの右側、小さい○穴が幾つか開いた鉄板の下に共振コンデンサが2個並んでいます。
 
参考までに今回使用したスイッチング電源24V*4.5Aの購入先を記しておきます。
 
以下は2014年現在メーカー(サンケン電気)が販売している相当品と思われる物です。
残念ながらトランスのコアを分解できない構造なので改造は難しいと思います。20170222追記
同期整流タイプの電源もラインナップされていますが改造は困難だろうと思います。
LLCスイッチング電源の参考資料
 
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一次巻線はオリジナルのままとし、ヒーター用24Vはセンタータップ→単巻線ブリッジに変更、プレート用340Vも単巻、グリッドバイアス用-100Vは倍電圧にしてコイル体積を減らし、狭いスペースに全部押し込みました、エアーギャップは0.12mmです。4本足のブリッジダイオードみたいのは無いのでショトキーだけで10個必要です、又340V系は念ののため高耐圧のシリコンカーバイドを使います。
巻きあがったトランスを測定しているところです、下に見える放熱版の束は負荷試験用の抵抗です、1W*100本を放熱板で挟んで作りました、こんな事しても電源設計がうまくいかなければ無駄になってしまいますが・・。
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無駄ついでに:
回路の動作状況を把握するのにトランスの一次側電流波形チェックは必須らしいのですが、コイルはフローティングなのでオシロで見るのは面倒そうです。UPSのジャンク基板を見ていたらこんな部品が付いていました、これでコイル電流は測れそうです。
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さて肝心のトランス特性です、二次側を単巻線にしたので自己共振周波数はだいぶ高くなり測定外(多分1M位)となり、少しインピーダンスは高いですがオリジナル品と同じ様な特性になりました。物の本には「リーケージインダクタンスは一次インダクタンスの20%位」と書いてあるのですがこのトランスは十数%でチョット小さい感じです、とりあえず動作試験してみて足りなそうなら別コイルを追加してごまかす事にします。
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私のようなド素人が手出ししても難しいアイテムですね。
先日できたトランスでも本体が壊れる事は無さそうな確認ができたので実装し電源を入れてみます。
左下にあるのが改造トランスで、綺麗におさまりました、DC340V整流回路は基盤の外ですが。
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裏側です、オシロの最大入力を超える箇所があるので抵抗分割し簡単な波形確認。
無負荷は、24V/340Vとも大きな問題なく動作していそうです、まだ100Wのダミーが入手できていないのでここで一息。
 
その後:
この電源はLLCハーフブリッジというタイプで、最近になってその高変換効率が注目されつつある方式だそうで、トランスは以下特徴がある
①洩れインダクタンスを大きくするためにコアにギャップを設けてある
②①と同じ目的で、一次/二次巻線をスロットで分けてある
③強力な洩れ磁束の影響で巻線が発熱しないように、細線を束ねた線(リッツ線)を使用してある(表皮効果とは別の問題)
④机上解析も精度良くはできないので、周辺回路を含め昔風に何回か試作を繰り返す必要がある。
 
文献の数は多いのですが難しくて全く理解できません、確かな事は①~③を無視して作ったトランスなので負荷によっては異常発振がでてくるという事です。
しょうがないので①~③を少し考慮したトランスを作りなおす事にします。ついでなので24V/340Vを、センタータップ全波整流巻線→ブリッジ整流単巻線に変更し、自己共振周波数を高く&コイル体積を減らし、さらについでに-100Vのバイアス電源コイルも巻く事にします、欲張らないほうがよい気もしますが・・。
                                                        
                                                  続く (本体が壊れるまで)
 
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