2013年05月

2.双眼装置の内部反射
F4f160mmのアクロマートを仮付けし25mmPLアイピースを実装した時の内部反射です。実際に使用する対物鏡はF4f1600mmなのでこの写真よりは少し良くなります。
普通の望遠鏡や双眼鏡に比べると内部反射が多いのでコントラスト低下の原因になっていると思います。
改善は可能でしょうが分解する必要があります、内部反射は鏡筒の影響も大きいので最終鏡筒に実装確認してどうするか決めるのがよさそうです。
素人目ですが、この双眼装置の三角プリズム不使用面やスリーブ内面は丁重に黒塗装処理してあり、アイピースの取り付けサイズも31.75mmギリギリに合わせてあるので、重要な部分はキチンとできているような気がします、したがってここに書いた内部反射はそれほど重要でないのか、対策がかなり困難なのかのどちらかという気がしないでもありません。
 
これは右側アイピースレンズを少し離れたところから見たところです
A/D:ビームスプリッターの反射面と入射面の間で反射発生するゴーストです。直接ヒトミに入射するわけではありませんが目の位置をずらすとヒトミに直接入り像も見えます。F4f1600の鏡だとだいぶ小さくなるはずですがゼロにはなりません。強い光なのであちこちで反射し像のコントラストを下げる可能性はありそうです。どうしても嫌なら絞りを入れる事になります。「A」が少し黄ばんで見えるのは波長の違いによる屈折率の差によるものだと思います。
B:取り付けスリーブのネジ切してない部分の内面反射です、その先のネジ切してある部分は真っ暗です。
C:仮付けした鏡筒の内面反射です。
E:ビームスプリッターの上下内部反射です。
F:アイピース直前にある光路長調整円柱ガラスのエッジです。
 
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これは左側です
G:ビームスプリッター後方のエッジ
H:ビームスプリッター前面のエッジ
I:ビームスプリッター反射面のエッジ
J:左側が暗いのは、アイピース前の三角プリズムの左側が全反射限界を超えることによるものです、実視の時は目がアイレンズに近づくので、この暗がりはもっと左側に押しやられ見えなくなるので実害はありません、限界角から逆算すると使っているのはBK4ガラスのようです。
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ゴーストは以下光路等が原因で発生するような気がします、双眼装置の宿命です。図でわかるように光軸に対してある程度以上の角度になると発生します。
別件ですがこの双眼装置は右と左の明るさが違います、太陽電池改造の光量計もどきで確認したところ左約2に対し右約1の明るさでした、偏光のせいではないのでビームスプリッタが不出来なのだと思います。左側が明るいので色調まで見るために使用、右側は補助と考えればこの方が良い、と考えることにします。ちなみに双眼装置の光量ロスはオンボロ光量計では確認できないくらい少ないものでした。
というわけで内部反射の改善とコントラストの改善はかなり困難な感じです、後日望遠鏡全体としての評価をしてみれば何か対策案が出てくるかもしれません、それまで待ちです。
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光路短縮アイピースを作る
光路短縮用に作ったビクセンPL25mmのケースです。
右がオリジナルのビクセン25mmPL、左は樹脂で作ったケースにレンズをはめ込みんだものです。あとは目の当たる所にネオスポンジのシートを貼り付け、遮光処理すれば完成です。
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作ったレンズケースを双眼装置に組み込んだところです、左側はまだレンズを入れてありません。光軸精度を出すためにスリーブ径を31.73mmまで詰めたのでガタはほとんどありませんがタイトすぎる感じもします。
今月初めにこの双眼装置を使用する予定の鏡が「カップル オブ ザ デイズ で出荷できます」と連絡あったのにその後音沙汰ありません、UKのカップルは日本より大きい数値のようです、日本の英語教育が間違っているのでしょう。
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400mmドブソニアン用に笠井Tの双眼装置を購入しましましたが色々解決したい問題がでてきました、という事で怪しげな改善検討を進めてみます。
目標は
”安価な双眼装置とφ400mm/F4鏡の組み合わせでM42をカラーで見る”です。
世間では双眼装置でM42縁の赤色を見るのはかなり困難という意見があります、なぜそうなのか明確な理由は分かりません。以前φ330mm*2本のニュートン双眼望遠鏡とφ250mm*2リフレクタ双眼望遠鏡の両方で同じ様な深い透明感のる赤色を見ました、昼間たき火をすると火の強い所はうす赤く色が見えます、あれと同じで透明感がありその先の暗闇が見える感じの赤です。双眼装置でもある程度のコントラスト、明るさ、鏡とプリズムの面精度があればそれなりには見える様な気がします。
 

双眼装置を低倍率で使用する
双眼装置は光路消費が大きくバックフォーカスの小さなドブソニアン望遠鏡は使用できません、又Fの小さい鏡だと像面の100%光量径が小さくなり対物鏡の面積を有効に使う事ができません。対策として拡大レンズを使用しますが高倍率でしか使用できないという事になりがちです。シンプルな方法でこの問題を解決できないか検討してみます。
プローセルアイピースを使用する事でこの問題を対策
この双眼装置を使用するΦ400mm/F4のニュートン鏡に対し25mm50°のプローセルを使うと64倍/ヒトミ径6.4mmとなりほぼ最低倍率になります。単眼換算だとヒトミ径は6.4mm/√2=Φ4.5mm相当となり何とか暗い天体を見る事ができる数値になります。PLは視野角50°で少し寂しいですがF4でも十分使える像の平坦性と、像面位置が視野レンズの前方18mmという「広角アイピースにはない特徴」があります。これを双眼装置のスリーブに押し込めば実質的な光路消費を97mm→57mmまで短縮でき、Φ400mm/F4の鏡で64倍の観望が可能になりそうです、ただし像面がプリズム内にあり、絞環を付けられないので周辺が徐々に暗くなる感じの像になります、実害はありませんが。
とりあえず双眼装置の寸法を調べ簡単な光路図を書いて見ました、四角枠の数値はビームスプリッター前面からの光路長、水色はプリズム、青色はアイピースです。この状態で57mm点(像面位置)の100%光量径は約Φ8mmでそこそこ明るい像になりそうです。像面位置がプリズム透過面近くにあると表面のゴミが見えてしまいますがこの位置なら問題ないでしょう、又25mm以上のアイピースだと更に実質光路長が短くなりますが像面がプリズム表面に近くなるのでその汚れが見えてしまう問題が出てきます、という事でこの双眼装置で光路短縮して使うアイピースは25mm位のPL又はアストロプラン(今時はやりませんが)がベストだと思います。
ビームスプリッター側スリーブの内側で少しケラレがあり、もったいないので角を削ります、この事で入射側の口径を1.5mmくらい大きくできます、ここまでやると100%光量径のゼロになる場所が90mm点くらいになるので少し暗く光路も長くなりますが普通の短焦点アイピースで高倍率観望もできそうです。今日久しぶりに東京に行ったつでに秋葉原の協栄産業でビクセン25mmPLを2個買ってきたので明日加工してみます。
 
4/16加筆
像面を前に移動する事でプリズム面精度の影響が少なくなりそうな気がします、後でその効果を机上評価してみます。せっかく高精度な鏡を使用しても鏡を保持するセル設計、傾鏡、双眼装置のプリズム、ビームスプリッターといった要素が原因で実質的な面精度がかなり低下する場合がありそうです。
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続く

光軸再現性、内部反射に関して改善の余地はありそうですがここまでで完了とします。
結局対物レンズとカーボン筒の接続はいい案がないのでシリコン系2液で接着しました。
光軸問題はアイピースホルダをコレット式にするしかなさそうですが複雑すぎて手におえません。
初期段階でプリズムの不使用面が内部反射の要因にならないか懸念していたのですがやはり設計を間違うと致命的な要因になりそうです、気になって確認した双眼装置のプリズムに関係する内部反射はアット驚くような状況でした。
これは鏡筒内部反射の様子をアイピースを介して見たところです、上下2箇所に明るく光るプリズムの不使用面の反射が見えます、しかしその面積は小さく致命的ではない感じです。遮光環(絞り)設計の時にプリズムの不使用面も光路図に書き入れ考慮するべきでした、3次元状にある不使用面を平面に展開し遮光設計するのは少し面倒そうですが3次元CADなら簡単にできるのかもしれません。内側の円弧を剃刀状に尖らせた遮光環はうまく機能していそうです、対物レンズ近くの鏡筒内部面反射が少し多いような気がしますのでそのうち修正します。片方のプリズムが原因不明の曇りでしたのでゴシゴシこすって綺麗にしました新品同様で購入したのですが保管状態が良くなかったのでしょうか。この写真では真っ黒に見えますがヘリコイド先端内ネジ部の反射が多かったので植毛紙貼りしてあります。プリズムカバーは白樹脂だったので透過光処理に往生しました、やはり黒がいいです。写真は全体に薄い青味がかっています、目で直接覗くとそれほどでもないので原因の大部分は、おんぼろデジカメのレンズ面反射のせいでしょう、15年も前の骨董品ですからしかたありません。今回内部反射などが要因の迷光がコントラストを悪化させ像全体を白けた色合いにしてしまう事を知りました。作成途中のΦ400mmドブソニアンもコントラストという切り口で設計見直ししてみたいと思います。
 
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最終仕様は以下の様になり、当初考えていたファインダーはやめました。
・手持ち可能なオフセットアミチ方式対空双眼鏡
・対物レンズ60mmF4.4/3枚玉EDアポクロマート
・アイピース31.75mmアイピース交換式
・目幅60~70mm
・本体1.25kg/経緯台0.16kg/三脚0.92kg/19mmアイピース0.24kg/合計2.47kg
・本体全長240mm
三脚を使用しないときは肘掛イスとの相性が良く、低倍率なら水平も天頂も手持ちでストレス少なく楽しめそうです。使った非球面アイピースは目の位置が変わると像がユラユラ歪むので小型のスマイスレンズタイプの方が良いかと思います、そうすれば良像範囲も70%くらいに広がります。色収差はかなり少なく80倍でも問題なく使用できそうでした。
先日オライオンUKから厚さを修正した400mmニュートンミラーが完成するので二三日中には発送する旨連絡がありました、ぼちぼちそちらの受け入れ準備はじめます。

 
スーパーで買い物をしている間に急に黒い雲が湧き出し突風とともに土砂降り、春の嵐です。雨上がりを待っているその目の前で風に押された隣の自転車が私の自転車に覆いかぶさる様に倒れこんだためスタンドが根元からポッキリ、なんとも情けない出来事でした。
でもなんかこのアルミスタンド弱すぎる感じがします、良く見ると折れたところはプレスで整形され、元々Φ10の断面だったところが面積70%位の四角断面になっています、断面が小さいという事はその分長さ方向に伸びているということです、破壊強度はΦ10mm部分の30%そこそことでしょう。しかもそこは一番力のかかるスタンドの根元です、折れます、と言っているようなもんです情けない。材質はわかりませんがジュラルミンより柔らかく、純アルミより硬いのでA5025くらいと思います。写真ではわかりにくいですがアルミ製の取り付け金具に加工痕があります、前の持ち主の方が純正サービスパーツを入手できなくて何がしの加工をされたのだと思います。
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こんな物でもきちんとしたサービスパーツはメチャメチャ高いか在庫が無いかのどちらかでしょうから初めから自分で作る事にしました。切削で形を作るのでジュラルミンを使います、気持ち丈夫に作りましょう。という事で2時間ほどかかりましたが何とかできました、丈夫に作ったので15gほどオリジナルより重いです。スタンドだけがピカピカ光って違和感いっぱいですがしかたありません。ジュラルミンは錆びやすいそうなのですが無垢のまま使います、4年前にジュラルミンで作った車のキャリヤはまだ大丈夫なのを見ると、それほどひどい事にはならないでしょう。
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