アミチプリズムを入手したので先日から考えていた案が機能する事を確認しました。
入手したプリズムの中身で有効径は実測で27mmです。その下にある小さなのはカメラ用アングルファインダのアミチプリズムで、今回作る双眼鏡のファインダー用として使うつもりです、このサイズだと実光路長は15mmくらいで、バックフォーカス46mmのカメラレンズの後ろに余裕で付きます。
これから作るアミチ光学系の性能検証のため、双眼鏡の光路がどのようになっているのか調べます。これは以前笠井Tが販売していたロシア製HCビノの光路で、アイピースの対物側レンズ口径が26mmもあり視野角70°アイリリーフも十分という仕様です。
黒線はHCビノで像面での100%光量径はほとんどゼロです、対物側のプリズム径が小さいためです、しかし周辺が暗い感じはほとんどありません。HCのポロプリズムを同サイズの90°アミチに変えると青線のようになります、100%光量径が10mm以上取れ、周辺も1.5倍ほど明るくなります、又プリズム通過長が1/3ほどに短くなるので色収差もだいぶ少なくなるはずです。
今回の双眼鏡でキーになるオフセットアミチ(適当に付けた名前です)の光路です。
対物側とアイピース側の光軸をアミチプリズムを中心にそれぞれ3.5mm上下にオフセットさせます、こうする事で両方の鏡筒合計で14mmの目幅を稼げ、最小目幅60mm+14mm=φ74mmくらいまでの鏡筒を双眼鏡用として使えます。90°アミチは正立系プリズムの中では最も光路が短いので色収差上も有利で、ポロなどに比較するとプリズム面をアイピースに近い位置にセットできるのでプリズム面凹凸の影響も小さくなります、又ダッハ(稜線)が視野中心からずれるので高倍率でも線が邪魔にならず面の直角加工精度の問題も回避しやすくなります、軽量コンパクトな事も見逃せません。概算確認したところではこのプリズムでφ75くらいの鏡筒までは使えるような気がします。
今回の対空双眼鏡の左側ユニットを上から見た図です。黒線が対物レンズ、青線が90°アミチプリズム、緑線がアイピース、赤点線が光軸です。
何の問題もなく最後までいけるか、これからが楽しみです。