ネットワークの感度調整抵抗をトランス式に改めた
f特に大きな変化はないが、過渡特性が改善され外乱に強くなっているはず。
Lf歪みは40hz~で1%、MfとHfは全帯域で0.3%。Mfの磁気回路は銅キャップ付きで、銅キャップなしと比較すると、大入力時の歪みが1/3ほどに改善される様な気がする。銅キャップは高域のインピダンス上昇抑制の効果もあるので、最近は銅キャップ付き以外の磁気回路は使わない。
Mfは1~3khに±2dbの凸凹が見える、箱回折の影響もあるのだが、幅狭のウレタンサラウンドがだめなのかもしれない。ラバーサラウンドを使ったMfでは凸凹が小さかった事と、以前にもウレタンで同じ問題があったので、次回のMfはラバーを使うのがよさそう。
パッシブ3wayの低域は大きさの制約があるので頑張ってもこの辺が限度、やはりサブウーファーシステムには遠く及ばない。適切に設計された密閉の低域は過渡応答性が良く振幅歪みも小さいので、電気的な方法で低域特性を改善するのが良い。
Lfの2.3khzにあるピークは測定系の問題。
10th


Mfのフレーム振動対策
1khzに強い箱共振があるので、以下の如く鉄板フレームに2mmアルミ板を弾性接着剤で取り付け、補強&ダンプした。
無題



Mfのフレーム補強前と後のバッフル面の振動振幅データは以下
箱は空中に浮かせて測定。赤は改造前、緑は改造後、青線は共振がない場合の理想カーブ。
1khz~3khzの間で改善されてるのが見て取れる、600hzに10dbのピークは残るがこの程度なら大きな影響はないつもり。
改造前のデータで1khz~3khzの広い帯域で盛り上がりが見える、コーンの分割振動では主共振周波数より上で複雑な共振が入り交じり、広い帯域で盛り上がる様な現象があるが、それと同じ状況なのかもしれない。今回のMf箱は見かけ以上に複雑な構造なので共振も単調な感じにならなかったのかもしれない。
理想的な箱だとSPの振動板と箱全体の質量比で箱振動振幅が決まり青線のようになるはず。
本機の場合だと箱が2000g振動板が5gなので箱振幅は振動板振幅の1/400となり影響は小さいが、これは何処にも共振がない場合の話。
改造前の赤線1khzの共振ピークは概ね振動板振幅の1/40ほど、更にバッフル面積が振動板の数倍なのでバッフルから出る音圧は振動板のそれに近い値となる可能性がある。
防振はユニット全体をフローティングする方法もあるが、SPフレームの露出前面枠が強く振動するという弊害が出る場合があるのと、構造が複雑で取り扱いが難しいので今回は検討しなかった。
Mfの振動

MfとHfの抵抗アッテネータ→トランスアッテネータへ載せ替えます。
トランス式はインピーダンスが低いので電磁制動力がUPし、エッジ共振、箱共鳴、ダンパの異常振動等の影響を減らせます。

これはMf用の-3dbアッテネータとフィルターコイルを兼ねる部品の製作風景です。
フェライトコアに銅線3本をバイファイラで多めに巻き、巻き戻しながら微調整します。

P1050955


現物写真はありませんが:
30cmLfを使った75L密閉ウーファーも完成したので周波数特性をチェックしほぼ問題ないのを確認した。(2.3khzのピークは測定系の問題)
file2

昨日広い部屋で聞いた感じでは、周波数特製はほぼOKだけれども、中低域に癖がある様に感じたので原因となりそうな75Lボイド管の振動特性を調べたのが以下。

365hzに20dbのピークがある:
振動板は100g箱が10kgなのでボイド管の共振がなければ、バッフル面の振動振幅は振動板の1%で収まりほぼ問題ない値となる。しかし365hzの共振点では約10%の振幅となり、さらにバッフル面積がSP振動板の4倍なので、バッフルから放射される音圧は振動板から出る値に迫ると思われる。マイクで測定する限りではその音と思えるデータを捉える事は出来なかった、Qの高い共振なので長い尾を引き、音質に影響を与えてるはず。
測定系の分解能が低いのでピーク幅はわからないがオシロで見ると幅数hzであり、紙製のボイド管にしてはQが高すぎるので何か他の要因も絡んでるのかもしれない。

vib1

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